他車運転担保特約も進化しています

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他車運転担保特約も進化してます

 他車運転担保特約については「他車運転担保特約の解説」の項で解説しました。

おさらいするとあくまで臨時使用した際に交通事故を起こした場合、自分の自動車保険契約を使用して対人・対物といった損害賠償を行うための特約でしたね。相手方に損害を与えてしまい、自分の自動車保険を使用できれば友達の自動車保険の等級がダウンしないで、友人間で気まずい思いをしないで済むというわけです。

他車運転特約の肝しかし一つ大きな問題があります。交通事故というのは車と車の事故の場合通常借りていた車にも損害が出ている訳です。この借りていた車の代金は誰が支払うのでしょうか?
 50対50の交通事故であれば、相手から修理代の50%を賠償してもらえます。30万円の損害なら相手方から15万円賠償してもらえる訳です。残りの15万円は普通の感覚であれば借りていた人が貸主(所有者)に賠償すべきですよね。

法律上の賠償責任を担保する自動車保険ではどうなってるんでしょうか?これは単純なようですが、考えると奥が深い問題ですのでよく考えて見ましょう。

他車運転の大原則

あくまで事故の相手方への賠償が基本です。臨時使用した車を自己の所有・使用・管理する車とみなして相手方への賠償責任を保険会社が担保します。

自己の財物は免責

そもそも自動車保険では自己の財物に対する賠償は保険の対象外です。他車運転特約マイホームの駐車場にバックで車庫入れする時に壁を壊した場合、車両保険は使えますが、壁に対する対物保険はおりません。

 まさに自分の財物を自分の過失で破壊して自分の損害賠償請求をする人はいないですよね。これが認められればモラル事故が発生します。

貸主に対する責任

マンション等賃貸で住んでる人は借家人賠償責任保険というのをご存知かもしれません。借りたものは壊れた状態で返してはいけません。当然ですよね。

 水漏れなどで借家に損害を与えた場合大家さんに賠償しなくてはいけないので、その為の保険です。

矛盾点
自動車を借りた人は貸主に法的な損害賠償請求されながら、借用車を自己の所有・使用・管理する車に見たたている為、借りていた車に対する賠償は免責という矛盾点が存在します。
総括
そんな矛盾点を解消する為に、特約条項を拡大解釈してある一定の条件の下で、借用車に対する賠償を対物保険で賠償する特約が発売されています。心配することなく人の車を運転できるという面ではいい特約だと思いますが、発売している会社もあれば、見送っている会社があるのも事実です。
自動車保険も市場が飽和状態・収入保険料の低下という中で補償範囲を拡大して収入保険料を増やしていく傾向がありますね。契約者にとっては非常にいいと思いますが。みなさんはどう思いますか?