三井ダイレクトの販売戦略

三井ダイレクトは徹底してインターネット販売に力を入れている。他の通販保険会社がTV・新聞等のマスメディアを使用し派手な広告を展開しているのに対して三井ダイレクトは一切TVに顔を出しません。ここまで徹底していると気持ちいいですね。

2007年度売上げの264億円の99%を自動車保険が占めています。儲からない自動車保険で徹底したコスト削減を武器にネット通販NO1を目指しています。けどその道のりは遠い。同年の経常損失は26億。厳しい数値です。損害率は63.5%と少々高めですが、安い保険料を求めて契約する人が多い中で、引き受けは適正に行われていると思います。業界の雄・東京海上で60%ですから売上げが低いながらもいい数値です。損害率が適正であればあとは規模の拡大です。

経常損失を出しながらも、安い保険料で顧客の支持を獲得している三井ダイレクト。消費者にとっては有難い会社ですが、適正な利益を出さなければ企業は存続しません。2007年には三井住友海上ホールディング傘下に入り多少の赤字が出ても吸収してもらえる環境が出来ましたが、損保経営はどこも厳しい。早期の黒字化が望まれます。

ダイレクト系損保も登場から10年以上が経過し撤退や吸収される会社も出てきました。ウインタートゥルスイス保険はダイレクト自動車保険から撤退。ダイレクトライン⇒そんぽ24⇒日本興亜損保傘下に。三井ダイレクトも三井住友海上の傘下入りをしました。適正な利益って大事です。【2008年11月公開】