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新型コロナウイルスの自動車保険への影響について
2020年は新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。世の中の全てがコロナウイルス中心となり、新しい生活様式がすべての人に求められるようになりました。
損害保険会社は近年自然災害の猛威で、支払い保険金額が増加し毎年1兆円以上の保険金を支払っています。保険会社は有事に備えて、異常危険準備金として貯金をしていますが、(大きなお財布のイメージです)準備金を崩してやりくりをしています。そこに新型コロナウイルスの発生。保険会社にとってもインパクトが大きいです。保険は生命・財産を金銭でサポートする商品です。新型コロナウイルスによる治療・損害を対象とした多くの商品があります。病気・感染症を原因として給付される商品であれば原則対象となります。
医療保険・傷害保険においては、入院の規定の変更(病床数不足に起因する医師指示に要自宅・ホテルでの療養を入院として扱う)・感染症法における一類感染症から三類感染症対象商品にコロナウイルスを追加し補償の拡大等の措置をとりコロナウイルスに罹患(りかん)された人の救済をしています。
一方で自動車保険は、自動車の所有・使用・管理・運行にもとづく事故を補償する商品のため、直接的な影響を受けません。自動車保険への影響は限定的ですが、経済停滞による影響は自動車保険にも及びます。
自動車事故の大幅な減少
各都道府県から移動に関する自粛要請の依頼が出たため、移動が大幅に減少しています。結果、自動車を運転する機会が少なくなり、交通事故が大幅に減少しました。ゴールデンウィークの2020年5月でみると前年同月比較で40%減です。例年GW明けは、交通事故の初動対応にてんやわんやですが、今年は落ち着いています。
交通事故が起きなければ、保険金支払いの発生がありませんので、自動車保険の収支はよくなります。自動車保険は大体が自然災害の発生で収支が悪化する事が多い中で極めて珍しい状態です。
【警察庁統計資料2020年10月末時点】
自動車保険の見直し機会の増加
今年は自宅での巣ごもりの機会が増加しています。コロナによる収入減もあり、今後固定費の見直しムードが高まると思われます。
- 住宅ローンの借り換え
- 携帯電話会社のナンバーポタビリティ・格安SIMへの移行
- 電力・ガス会社の変更
- 保険の見直し
コロナを経験して、自宅の整理整頓に始まり、次は固定支出の見直しです。
契約数・自動車保険料の減少
フルサービスの高価な代理店型自動車保険から通販への切り替えが進めば、自動車保険料全体の市場は縮小します。
更に今回のすごもりを契機として、たまにしか自動車を乗らない人は、車を廃車する可能性もあります。コロナにより経済が停滞すれば、新車への買い替えがサイクルが長期化し、大きな収入増が見込める車両保険が安価な車両保険価格で進む可能性が出てきます。
参考・自動車保険料を返戻する会社まで出てきています(海外)
日本では難しいと思いますが、海外では事故が減少し保険金支払いも減少していますので、それを契約者に戻す取り組みが行われています。日本でも共済のように年間の収支をみて契約者に保険料を戻す仕組みはありますが、コロナウイルスを理由として消費者還元を行うのが、日本と発想が違いますね。
日本の自動車保険料は海外に比べて安価なので、全ての自動車保険契約者に50ドルも還元したら大変な事になりそうです。軽自動車の任意保険だと2万円に届かないケースも多く、50ドルだと25%割引に相当します。保険料の詳細がわからないので、何%相当なのかはわかりませんが、嬉しいサービスです。
50ドルの還元や保険料の10%割引など消費者還元策が行われています。有効な自動車保険契約を保持している契約者全てが対象で、特に申請等のアクションが不要です。